やや、閲覧注意とさせていただきます。
動物に纏わること、グロがお嫌な方は飛ばしてください。
癒されに、海へ
その頃、コロナとの付き合い方がわからず、心が疲弊していました。
都会ではないのでそこまで生活は脅かされてはいませんでしたが、じわじわと不安は押し寄せてきます。
知人に対しても「この業界だと今大変なのではないか」と思うと言葉をかける勇気が出ません。
(そして、そんな自分はどう思われるのかと思うとますます苦しくなります←すっかり他人の評価が基準)
癒しを求めて海を見に行くことにしました。
何で、安らぎに出かけたのにー!
防風林を抜け、家から一番近いルートで堤防に上がろうとした時、足が止まりました。
何あれ。
近づいちゃいけないと私のアタマの危険信号が激しく鳴り出します。
それは何かの亡骸に見えました。
これ以上は進むな、見るなとアタマが言うから一定の距離は保ちましたが、そこには茶色の毛のある物体が横たわっていました。
一番腐敗の速そうな部位は露出し、今にも爆ぜそうです。
- 犬? 野犬がいるならそれはそれで大問題です。
- 猫? 都市部で時折聞く、毒餌を撒く人間がこの辺りにもいるというのでしょうか。
- 狸? …にしてはさすがに色が違う気がする。
- 猿? これは後日『猿が出たら放送がある』と知りました。だから猿ではないのでしょう。
いやー!何で癒されに来てこんな破壊力あるもの見せられないといけないの私。何か悪い事した!?
踵を返し、別ルート取ります。
まだ動揺しています。
しかし同時に
「バイオハザード(ゲーム)で、ああいう腐敗した犬が出てきたなぁ…」と思い出しました。何で犬までゾンビになるのか未だにわかりませんが、ああいうやつです。
さもなくば「『檀林皇后九相図』だ」
絵師さんは凄いわー。
妙な所で感心して、そして海に行きました。
波の音に身を委ね、そしてその後行ったコンビニで会計666円を叩き出し、今日はほんとに何なんだと思いました。
後日
二週間程経って、再び海に足を運びました。
例の最短ルートで、おっかなびっくり近づきます。
亡骸は綺麗な白い骨となって地に還っていました。
やっぱりある程度までしか近づけず、何の生き物かはわかりません。
ただ、茶色の羽が落ちていて「あぁ、鳶がその生命を終えて地面に落ちたのかな」と思いました。
それとも鳶がやってきて、骸を自然に還す手伝いをしてくれたのかもしれません。
草むらの中で、白い骨は清らかでした。