中島みゆきニューアルバム 『世界が違って見える日』 感想 さあお行きなさいと背を押される

中島みゆき

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 最初に

 

どのあたりから著作権に抵触するのかしないのか、よくわからない。

 

わかんないものは私、無闇に触りにいかない。

 

なので、長い歌詞を引用することは極力避けております。

 

よって未聴の方や、お手元に歌詞をお持ちでない方には「お前は一体何を言っとるんだ」
の内容になっているかと思います。

 

いや、ライブ聴いても馬見ても、私いつでも「何を言っとるんだ」なこと書いてるやん。

 

いつも通りです。

 

あの、でもすっごくファンなんですということを念押ししておきます。

 

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 倶に

 

みゆきさんの歌には、何人かがお住まいになっていると自分は思っています。

 

PICU』第一話で初披露された時

「あ、今回この人来たっ!!」と思ったっけ。

 

 

…しっかし、ヘッドセットってテレビで聴くよりはるかに繊細に情報を伝えてくるなぁ!!

かーっ!SONYは違うぜ!

 

 

「のぞき」の「ぞ」が、これが又いいんです。

 

「気配」という言葉の間に置かれる「っ」という存在。

 

「けっはい」となることで、隣にいる人の存在が、

会ったことはないけれど、命という共通項を持った誰かさんの存在が、実体を伴って迫ってきます。

 

 

3番冒頭。

『お月様ほしい』の主人公に似てるな、と思った声。

あの人も自分の無力を嘆いてた。

しこちゃん先生が何度も壁にぶち当たるように。

 

確か『PICU』の制作スタッフのどなたかが

『主役の吉沢亮さんと同年代の男性歌手に主題歌お願いするのも一案にあったが、優しく導くような存在にしたくて中島みゆきさんにした』

とかなんとか言われてました。

この記事を書くにあたって全文きちんと確認したかったんですが、見つけられませんでした。

 

どこで読んだんだろ、幻覚ではないと思うんだけど…。

 

しこちゃん先生や『お月さま~』の語り手のような悩める立場の人から
ひとつ超越したところにいて、地を走る人の背中を押す天女の視線へ。

 

歌い手が入れ替わる曲なのだと思ってます。

 

 

 島より

 

あ、南風は『親愛なる者へ』と同じ向きから吹く風か~。

 

本当にみゆきさんの声が美しい。

 

なんという名前の楽器なのですか。

なんという名前をつければいいのでしょうかと聞きたくなるような美しい声です。

 

 

 十年

 

クミコさんversionは一回聴いておりました。

 

提供先を意識した、どことなくシャンソン風の曲調ですが……

 

くそっ、優しいなぁ~。

 

3番の3行目~4行目で落涙しかける。

「もういいよ」と言える。言えちゃう。

ここのみゆきさんの声が「なんでっ!そんな優しい声が」って思う程優しい。

 

 

 

優しいから成就しなかったんだよぉ。

 

優しいから「恋」で満足しちゃったんだ~。

 

なぜ? そんな優しい貴女だから、彼の隣に並び立つ存在に私はなって欲しかったよ。

ちょっとだけでも、貴女の気性が許す範囲でだけでもいいから。
ちょびっとでもいいから、ぐいぐい行ってくれたらよかったのに~(矛盾)

 

このヒロインにめちゃくちゃ感情移入してました。

 

 乱世

 

おー、イントロぉ…。

それが3番で雰囲気が変わる。

 

地上で揉まれる「僕」の世界から、一段高い所にいる春風の女神の目線に。

「わぁー」の部分のなんと美しいこと!

 

 

 

 体温

 

拓郎さん!めっちゃわかる!

 

うわぁ~これ拓郎さんファンも身悶えできる一曲なのではないでしょうか。

 

ふと『移動性低気圧』や『恋とはかぎらない』を思い出しました。

あぁ、あのアルバム【相聞】【恋文】も、オトナ度の高いアルバムでした。

 

みゆきさんの曲ってまさに芳醇なワイン。

何年か経つと「自分追いついた!」と思える瞬間があります。

 

この歌は樽から注ぐ度に、私にとってどんな変化をするのでしょうか。

 

 

 童話

 

うわー、来たぞこれは!

これはやばいの来たぁっ!!

 

一回でほぼ覚えられるサビ。

 

声出さずに、倶に絶唱しちゃうから、言葉が持つ力が自分に刺さってくる。

 

左目が泣いてるじゃん。

 

鼻詰まったじゃん。

 

アウトロほとんどなしっ!!

直感通りっ!!

 

 噤(つぐみ)

 

先ほどまでとの落差が凄いっ!

 

前曲の【童話】と対になってるのかな…?と勝手に思いました。

 

(それと、なんか、レキシさんの「ハニワニハ」思いだしちゃったよ…)

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 心月(つき)

 

暴いてくれ。

 

切り裂いて、血を吹き出したい。

 

ここでいっそ全てを出して生まれ変わりたい。

 

繰り返されるメロディ。

 

最短距離で月光浴びれる場所ってどこだ。

 

一番月と星の真下に立てる空間。

 

自宅の駐車場へ私(の心)を移動させる。

 

冴え冴えとした月の光で、一種の残酷さを持って、私の心のくすみが取り払われますように。

 

 

 

想像の月の下へ、自分を投げ出したひと時でした。

 

 

 

え?これ夜会に出た?(慌てる)
初出だよね?

 

 天女の話

 

えー、いいなぁ、歌に採用されたお名前の方~。

みゆきさんの作品に入れるなんてぇ。

 

…あっ! (何か思い出す)

 

 

…いや何でもないです。

 

 

どろどろに、じゃなくて でろでろに、なんですよね~。

 

ここは「で」なんですよね!

「ど」じゃ出せないものを「で」って、持っているんですぅ!!

 

ところで、大阪に土地勘ある方は皆さん

 

「ここどこや!どこーっ?」

 

と歌詞から得られる情報を元に、天女の前に座れる街を探しておいでのことかと存じます。

 

(私もその一人)

 

 

 夢の京(みやこ)

 

◯◯ ↔️(なのに) △△

これが2回繰り返される。
2回なんだなぁ~。 1回でも成立するんだけど、2回繰り返される自然界の営みと人の対比。

 

【倶に】のサビにいらっしゃる方が、また降りてこられました。(そう思いました)

 

 

このまま眠りについてもいいし

期間限定でお休みをとってもいい。

 

世界はここ数年、びっくりするようなことの連続だったけど

 

ねぇ、私やっぱり
ちょびっとだけでも存在してる筈の、美しいものや綺麗なものを掬いあげたいよ。

 

繰り返される最後の言葉。

 

その一言が、背中を押すのだろうな。

 

 

…ここで、客席に向かって立つみゆきさんの後姿を見た気がした。

私はなぜか上手袖の幕間に立っていて、深々とお辞儀をされるみゆきさんの背中を見た。

お辞儀という形でみゆきさんに抱き守られる。日常に戻ってゆく為の力を貰う。

 

 

夢で癒されたら、多分【倶に】の世界に戻る。

 

しこちゃん先生じゃないけど再び走り出す。

 

「うぉー。これ循環するアルバムだっ」と思いました。凄い作品。

 

え? やっぱりこれ夜会に(以下同)

 

 そして

 

あは、ブックレットの末尾!

私の受け止め方、決して外れてないだろう。

 

 

 

いや、当たりも外れもないんだ、

その時々で、置かれた状況で人の受け止め方って変わる。

多分みゆきさんだってそう言われる(…ような気がする)

 

当たり外れもないけれど、でも背中を押されて今日も歩くか、走る。

 

 

しっかし、みゆきさんが何か付け足してこられるのは大変珍しい気がするなぁ………。

 

(ぱっと思いついたのが【親愛なる者へ】の冒頭と
【歌でしか言えない】の「思いがけなくちょっと高価になっちゃったんですけど」くらいだなぁ。
私が浮かんだのはそれで、他にもあるかもしれません)

 

やはり3年間、どうしようもない大きな流れに遮られたこともあってかな。

 

1対1では会えなくとも、「気配」を感じるあの人へ

「愛」だなぁと思いました。

 

 

「お前は一体何を言っとるんだ」の数々です

 

 

 

 

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