これは一歩踏み出す物語?「恋せぬふたり(終)」全部(仮)でいい

person taking photo of white feather 作品感想

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 前回の続き…なんだっけ?

 

ええっと、前回どこまで進んでたんだっけ。

 

10年前の高橋さんの、悲痛な「ごめんなさい」が頭に焼き付いて、野菜王国へ転職の話が持ち上がってたことは忘れてた。

 

え、そんなのあったっけ?あったんだよなぁ。

(ここからネタバレ含む感想です)

 

 カズくん 妹 母 三連発

 カズくん

 

「その話はもういい」と高橋さんに言われたけれど釈然としない咲子はカズくんに相談してみた。

 

…なんて親身になってくれるヤツなんだこいつぁ。

 

カズくんは【高橋さんが今の暮らしの維持を選んだ】→【真の家族になってきてる】んだろうとフォローする。

 

でも、やっぱり釈然としない。

 

 妹 みのり

 

次に、妹の見舞いに行く。

 

みのり「…よかった」「?」
なにがよかったのかイマイチわからないけど、今まで無遠慮だった自分を反省したってことだろうか。

 

人にはそれぞれの事情があるということ、自分の物差しでは測りきれないものもあるということを、みのりも受け入れつつあるのかもしれない。

 

 母、出現

 

母に相談する咲子 「でも絶対やりたい仕事だと思うんだー」

 

もう放っといたら? 高橋さん決めたんだし。『絶対やりたい仕事』っていうのも推測に過ぎないかもよ~。

私は、ついついそう思ってしまう。

 

でも、誰かが話を聞いて背中を押してくれることで現実が変わる、っていうのも往々にしてあるから…。

…あー、難しいなぁ!

 

 

母「あなたはどうしたい?どうしてあげたいの」

そっか、親しい人に『してあげたい』って欲求はホンモノだよね。

 

母は、絞り出すように言葉を繋ぐ。

うむ、まぁこの人はこの人なりに大変だっただろうなぁ~。

 

自分が信じて疑わなかったものを娘が共有してくれない、なぞってくれないとわかった時にゃあ、大ダメージだったろうなぁ。自分自身が否定されたとすら感じたんじゃないかなぁ。

 

そこからここに辿り着くまで、大変だったんだろうなぁ。

 

「幸せになってほしい」

 

そうだよね。

大切な相手ならそうだ。そう思うのは自然なことだ。

 

それが自分の理解が及ばない形であったとしても、楽しくやってってほしい。辛いことなく。健康で。笑えることが多めで。

 

だけどその『幸せ』が世の中では即、結婚と結びつけられ、家、子ども、安定した収入…と第6話のオトナすごろくじゃないけど、付けなければいけないオプションが増えてしまうのは何故だろう。

 

(↓ オトナすごろくの話)

 

 咲子、も一度高橋さんと話す

 

咲子 「私は今が人生においてベスト」

対する高橋さんは、ベストだとは言いきることができなかった。

(と、言うかベストを掴みとるのを早い段階で断念した人なのか?とふと思った)

 

「怖さが勝った」「祖母が残したこの家を空けるのが」

ここで、咲子と出会って以降の色んな場面がインサートされる。

うむ、降って沸いた様々な人たちとの出会い。高橋さんにも化学反応が起きてたんだな。

 

「だからもう一人には戻りたくない」
目ェパシパシさせる高橋さん。

 

「私はここに住み続けますよ」
咲子の提案は、咲子はここに住み続け、高橋さんはお野菜王国に住むというもの。

 

あ、単身赴任と思えばそこまで突飛なことじゃないよね。既存のものとして、そういう暮らしかたする家庭はあるしー。

 

別々に暮らしたら『家族(仮)』は終わりになると高橋さんは言うけれど
…そんなこともないよ、と私も思う。咲子を支持する。

 

この、涙目の高橋さんは『家族(仮)は無くならないのだという安堵感』から来るものなのか。

 

いや、それとも…正直『この家を出たかったのか』高橋さんは。

 

出てはいけないものと、自分に呪縛をかけていたのか。「僕、ほんとにこの家を出て…」

 

咲子は「全部(仮)でいい、言葉にすると縛られてしまう」と言う。

 

あ、それ、すごく納得です!
私も相手の言葉に縛られること、縛られてたこと多々あります!

 

相手にとっては軽い一言でも、拡大解釈して自分の行動を制限してたこと沢山ありました!

 

でも今思うと、『相手がこう言ってるから…』って、自分で選択するという、本当は大切な行為を人にぶん投げてたんですよね。

 

…だから高橋さん、自分で選ぶといいですよ…。

 

 

 

 後日談

 

咲子はカズくんに報告している。

「ありがとねカズくん」 「日々成長する男だから。吸収力エグくない?」
うん、アンタはほんと凄かったよ。

 

(↓ きっと『よき理解者』に昇格するんだ! 耐えろ私! と思いながら見ていた頃)

 

そしていつの間にか上司も【男女を見たら恋人と思え派】から【そういう軽口は慎みましょう派】になっている。

 

 

そうか、高橋さんは祖母の納骨か。決着か。

おばあちゃんも又、家から出るんだな。

 

ご家族の遺骨を、いついつまでに納骨しなければならないという明確な決まりはありません。区切りをつけたくなった時こそが一番よい納骨のタイミングであり、手元供養という選択もあります。
ラストのセリフにもかかってきますが、何か言ってくる人がいても、それはそれ、です。

 

 

一年後、高橋さんは富士山の見える野菜畑に、咲子はあの家で丁寧な毎日を過ごしていた。

 

千鶴も元気そうだ。

 

実家の両親、みのり、子どもたちは公園で楽しそうに過ごしている。
夫の姿はなかったので、そういうことか? ちょっとスッキリしちゃったぞ。

 

 

当初言われてたほど、アロマンティック・アセクシャルについて、それだけを突き詰めた物語でもなかった。

 

でもそれでいい。

様々な生き方があるということ、

どんな選択したって赦される、OK、肯定される…そうあるべきなんだということを、全8話かけて伝えてもらったから。

 

 

 

キャスト、スタッフの皆さま、ありがとうございました。

 

 

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