美しく、辛いシーンが続く「恋せぬふたり(7)」傷つけずには生きられない

person taking photo of white feather 作品感想

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(ここからネタバレ含む感想です)

察してくれる高橋さん

 

「自分語り、したいですか」

何だか悩んでいる咲子の様子を見て水を向けてくれる高橋さん。

 

なかなか奇特ですよ。こんなに察しがよくて、そして自分の時間を割いて人の話を聞こうとしてくれる人。

 

家族?愛?信頼?

 

この二人の関係に何という名前がつくのかわからないが (名前をつけようとするのがそもそも野暮か) 大事な相手にはなっていると思う。

 

 

 社長!

 

「仕事の参考になれば…」と高橋さんが渡してくれた資料から繋がって、咲子が【高橋さんの元カノらしいファームの社長さん】と知り合う結果になってしまった。

 

 

元カノ登場! っぽいのは、既に前回のラストでほのめかされていた。

だから、この人がそうなのだとすぐわかった。

 

「(高橋さんが勤めている)スーパーの店員さんに大失恋したことがあり、それも転機になったのだ」と社長さん(名前は遥)は昔を語った。

 

「いい年だし、同情される」
自嘲めいた社長さんの語り。

 

咲子は本当にそのあたりの機敏がわからないから、人生の転機になったのならその失恋はよかったと本人に言ってしまえるし「こんな素敵な仕事」と心から言える。

 

帰宅した咲子は『今日出会った素敵な社長さん』について話す。

 

あぁ、高橋さん、そんなに遮らないといけない程、社長との過去がトラウマなんだ。

 

 またもカズくん登場!

 

全ての事情を知る頼れる相談相手!

カズくんの株だけが私の中で上がっていく。

(序盤の「俺の」宣言には キモチワルイキモチワルイ!!と叫んでたのにな)

 

 店長代理!になりそうな高橋さん

 

スーパーで配置換えがあり、高橋さんは大好きな野菜売り場から離れないといけない可能性が出てきた。

 

「“水谷くん”が野菜売り場…」
結婚することもあって、水谷くんに責任あるポジションを任せてやりたいのだと言われる。

「とよたまさんと」

 

とよたまさんとかいっ!!

 

…いや、とよたまさん、よかったよねぇ。彼女は叶えたい夢と目標があって、それを確かに掴み取ったのだ。確かにめでたいことなのだ。

 

 

 遥は恐らく、大失恋の理由を知らない

 

今は咲子が高橋さんと同居していると知る遥。

そして、高橋さんのおばあちゃんは他界したと知る。

 

このシーン、非常に、丁寧に、長く、取られていた。

 

悼む人だった。

 

これ、どこのタイミングで、高橋さんと一緒になれなかった事に重大な理由があったことを、遥は知ることになるんだろう。

 

つい、いかにも盛り上がりそうな展開を期待してしまう。

けれど咲子は言わない。安易に言うことでもないこと、本人の許可なく第三者に漏らしてはならないこと(アウティング)を、私たちはここまでの物語で教えられている。

 

 

 10年前の、高橋さんと遥

 

借りたハンカチを返しに、高橋さんの家を訪ねた遥。

 

高橋さんは、門扉を開けた。

 

ここ、象徴的に撮られていた。

 

高橋さんは、扉を開けた。

 

 

祖母は色々期待したのかな。
孫が彼女連れてきた!と思ったんだろうな。

「僕が何者か知らずに逝った」って、以前高橋さん言ってたもんな。『色々』夢見たのかな。

 

 

この後、ああ辛い!というシーンが続いた。

 

 

何もかも、言う必要はない。
言いたくないことは、言わなくていい。

 

高橋さんがあの時辛かったのは勿論だけど、遥も、何も知らないまま、今も引きずっているんだろうなと思う。

 

 

みんな誰かの人生に爪跡を残してしまう。

 

何らかの形で傷付けてしまう。

 

でもそんなこと言ってたらこの先誰とも会えなくなってしまう。

 

仕方のないことなんだけど、人は誰かを傷付けずに生きていけない。

 

自分もどれだけやらかしてきただろう。

 

夜だからこんなこと考えるのかな。

 

 

 次回最終回

 

一体この物語がどこに着地するのかわからなくなった。

 

高橋さん野菜王国に転職してめでたしめでたし?

咲子と家族(仮)が一段階進むの?

あ、そう言えば妹みのりの家は一体どうなってんのよ!?

 

 

…もしかしたら、決着なんてないのかもしれないな、と薄々感じてる。

登場人物の生活は、人生はまだまだ続くのだから。

 

 

 

…ところで、高橋さんと遥のシーンにこちらまで哀しくなりながら、けっこうぐいぐい来てる遥に
「あぁ私もこれくらいのことができたらよかったんだ!!」と頭を抱えた私です。

 

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